インプラント矯正

インプラント矯正とは

矯正歯科用につくられたインプラントを顎の骨に埋め込み、固定源として使用する事により、今までの矯正治療では難しかった歯の動きを可能とし治療期間の短縮や外科手術(顎を切る等)が必要な患者様の治療も可能にしたり、非抜歯矯正の可能性の拡大、患者様の治療協力の軽減等が行える治療法です。

インプラント矯正の背景

一般的に、歯科でインプラントといえば歯を失った部分に対しチタン製の人工歯根を埋め込み、その上に人工の歯をつくる事を意味します。
 (インプラントの詳しい内容については、たけした歯科ホームページをクリックして下さい。)
 このインプラントを用い歯の移動が出来ないものかと動物実験が行われた事に端を発し、現在では矯正歯科用のインプラントが開発され、さまざまなタイプのものが製作されています。矯正用のインプラントは、歯の移動の為だけに用いられる目的で作られているので、歯の移動方向や移動量等に合わせ様々な部位に植立できる様になっています。


矯正用インプラントの種類

(1) SMAP(スマップ)
スマップ
歯列全体を動かす様な強い力が必要な場合に用いる事が多く、穴の部分を顎の骨面にネジ止めします。術後2〜3回の腫れや痛みを伴う事があります。
(2) K-1システム
K-1システム
(1)に比べ比較的小移動や、ガミースマイルと呼ばれる笑った時に歯茎が必要以上に見える状態の改善にも有効です。
(3) MIA(マイクロインプラント)
MIA
(2) と同様、比較的小移動に用いられ様々な部位への植立が可能。
(4) I・S・Aシステム
I・S・Aシステム
比較的小移動に用いられます。
矯正用インプラントの中では、脱離やゆるみが少なく、埋入後即時に力を加えることが出来ます。
矯正用インプラント 矯正用インプラント
(5) 通常のインプラント
インプラント
通常の欠損部位に用いられるインプラント
欠損がある場合に、先にその部位にインプラントを植立し、そのインプラントを固定源として矯正治療を行う事があります。


矯正用インプラントの材質

人体に一番親和性の高いチタンが用いられています。
通常のインプラントもチタン製ですし、骨折時等に固定するプレートやネジにもチタンが使用されています。


インプラント埋入について

手術時間

埋入の本数や選ぶインプラントにもよりますが、麻酔からお帰りになるまで本数が少なく埋入に時間のかからないタイプで30分、本数が多く(この場合4本)埋入に時間のかかるタイプでは、2時間位の時間がかかります。

麻酔について

一般的には歯を抜く時と同様の局所麻酔下で行われます。
恐怖心の強い方や御希望によっては静脈内鎮静法を行う事があります。又、通常、入院等の必要はありません。

静脈内鎮静法

全身麻酔とは違い患者さんは術中にも意識はありますが、実際には2時間程度の手術でも30分位で終了したように感じる非常に有効な方法です。
また、静脈内に鎮静剤や鎮痛剤を投与する事により、術中の痛みや恐怖心などが無くなり、術後の腫れや痛みも少なくなります。
心電図モニターを使用し手術中の全身コントロールもできますので安心していただけると思います。

術後の痛みや腫れ
個人差や選ぶインプラントにもよりますが、親知らずを抜いた程度の腫れや痛みがあるものや、ほとんど痛みや腫れを伴わないタイプのものもあります。
2〜3日、長い場合でも1週間位で落ち着きます。

術後の埋入部位
通常では、埋入部位が外から見てわかる事はありません。又、矯正用のインプラントは矯正治療上、必要がなくなり次第除去し、その跡が後々残る事はありません。

日常生活
ほとんど問題ありません。異物感もわりとすぐに慣れてしまいます。しかし、インプラント埋入部位を不衛生にすると感染により歯茎の腫れ等がおこる場合がありますので、日頃より衛生管理に気をつける必要があります。

年齢について
通常、骨がしっかりする16歳以降でないと埋入できません。


費用について

部位や埋入する本数、インプラントの種類等により変わりますが、1本31,500〜84,000円(税込)の費用が必要です。この中には、埋入、お薬、除去等全ての費用が含まれます。
しかし、インプラントを用いる事で矯正歯科の治療期間が短縮される事が多く矯正歯科の治療費が減額されますので、それによりある程度、相殺されます。


インプラント矯正の留意点

インプラント周囲の炎症

先にも述べました様に、埋入部位の不衛生により炎症を起こす事があり、日頃からの衛生管理に気をつける必要があります。

インプラント埋入の失敗
選択するインプラントによってもその割合に差はあるのですが、永久に使用することを前提としないかわりに、インプラント体が脱落する可能性があります。この場合には、再度埋入する必要があるかもしれません。(再度費用をいただくことはありません)
口腔外科医
KAZ矯正歯科では、口腔外科医により院内でインプラントの埋入を行っております。


インプラント矯正のメリット・デメリット

メリット
  • 治療期間が短くなる事が多い
  • 矯正歯科の治療上、症状によっては取り外しの装置等を使って頂く事もありますが、こういった患者様のご協力が最小限ですみます
  • 抜かない治療の幅が広がります
  • 外科手術が適応の場合でも手術なしでの治療が可能な事があります
デメリット
  • インプラントを埋入する必要があります
    →埋め込む場所やインプラントの種類は症状や目的により異なりますが埋入部位は重要組織(太い血管や神経等)が無い部分に埋め込みますのでそういった意味での危険性は非常に低いです。


有効な症例

デコボコがある症例


インプラント体を支点に歯列を後方に
引っ張ります
※歯列全体を後方へ押しやる事で、前方に隙間を作りデコボコをとります。
後方へ押しやる為、親知らずがある場合には抜歯が必要となります。

ガミーフェイス・・・・笑った時に歯茎が通常以上に見える状態


※歯列全体を上方へ引き上げる事で、ガミーフェイスの改善をはかります。
今までは外科手術が必要な症例ですが、矯正用のインプラントを使用する事で多くの症例が外科手術なしで改善できます。

開咬症例・・・・・一般に奥歯でかんだ状態で前歯がかまない状態をいいます。


奥歯を下に引っ張ります
※奥歯を圧下(歯茎方向に埋め込む)をさせる事で、顎が関節を中心に回転し前歯が咬む様になります。今までは、取り外しの出来るゴムや装置を通常の矯正装置とは別に長期間使って頂かなければなりませんでした。

上顎前突や下顎前突症例


インプラント体から歯列全体を後方に
押しやることで下顎前突を改善します。
※上顎前突は、上記の要領で上の歯列全体をインプラント体を支点に引っ張ります。


矯正用のインプラントを使用した治療は矯正治療の幅を広げる方法です。多くのメリットがある反面、インプラントを埋め込むという不安は誰しもがあると思います。又、患者様によりそのメリット・デメリットも多少変わりますのでまずは御気軽に御相談ください。
相談コーナーからも御相談を受け付けております。

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