当院での歯のクリーニングに関する考え方や方法等をご紹介致します。
装置、装着後のセルフケア(ご自身での歯の磨き方)
表側の装置の歯の磨き方
ワイヤーの下の歯に、歯ブラシの毛先があたるように入れ込み、磨きます
裏側の装置の歯の磨き方
ワイヤーの下の歯に、歯ブラシの毛先があたるように入れ込み、磨きます
歯間ブラシを歯と歯の間の隙間に入れる場合、隙間に不適切なサイズの歯間ブラシを常に使用していると、歯肉が退縮し、隙間が大きくなる場合があります。歯間ブラシを歯と歯の間にいれる場合は、隙間より小さめのブラシを選び、両脇の歯をこするように磨いて下さい。
※歯間ブラシのサイズ、磨き方につきましては衛生士がご説明いたします。
お気軽にご相談下さい。
装置、装着後の院内での歯のクリーニング(衛生士によるプロフェッショナルケア)
KAZ矯正歯科では患者さまの口腔内に合わせたクリーニングを行っております。(矯正歯科料金に含む)
PMTCとは?(Professional Mechanical Tooth Cleaning)
虫歯と歯周病の予防には、原因であるプラークを抑制し、悪い影響が出ないように常にコントロールしておくことが大切になります。 そのためには患者様自身によるセルフケアが大切です。
しかし、毎日きれいに磨いているつもりでも日常の歯磨きだけでは汚れを完全に落としきることは難しく、※バイオフィルムは強固な細菌の結びつきで できているので、歯磨きでは100%破壊することはできません。 細菌を減少させるためには、まずバイオフィルムを破壊する必要があります。
バイオフィルムを破壊するためには、専門家(歯科衛生士)の処置がとても重要になってきます。
そのほか、患者様だけではコントロールしきれない部分の補助など、さらにお口の中をより良い環境にするためにも重要な処置です。歯周病治療を受けてきた方はもちろん、健康な歯と歯肉を維持していきたいと考えている方すべてに必要とされるクリーニングです。
※バイオフィルム
色々な細菌が結合して、歯面をフィルム状に覆った細菌集団
PMTCの流れ
PMTCで得られる効果
- ・歯肉炎・歯周病の改善
- ・虫歯の予防とともに汚れの再付着を防ぐ
- ・審美性の向上(色素沈着を除去し、光沢のある歯面に回復する)
- ・歯質の強化(フッ素を用いることで再石灰化を促進します)
プラーク(歯垢)・歯石とは?
プラーク1mg中には、10の8乗~10の9乗個の細菌が存在すると言われ、その種類は300~400種類にも及びます。
これらの中に虫歯や歯周病を誘発させる病原菌が存在します。その細菌叢は常に一定しているものではなく、人によって、あるいは同じ人であっても年齢、健康状態、食事の内容、またお口の中の衛生状態などによって構成される細菌の種類や比率は絶えず変化します。
また、プラークは洗口やジェット流などの洗浄では容易に取り除くことはできません。
プラークを取り除かないでおくと、石灰化して歯石になります。歯石の結晶体そのものには、病原性はありません。しかし、その表面が粗造で細菌が蓄積するのに有利となりプラークの住みかとなります。
また、歯石の中に浸入したプラークは歯ブラシでの除去が困難となり、さらに歯石の沈着を増加、促進します。
むし歯の原因菌とは?
ミュータンス菌
主な虫歯の原因菌です。
虫歯発生・進行の最大のバロメーターとなります。この菌は、歯面に対して強い付着機能を持っているため、やがて成熟し低いPH環境の中でも生存し酸を産生します。虫歯の初期に重要な役割を果たすと考えられます。また、1~3才の間に母親から感染することが広く知られています。
ラクトバチラス菌
付着機能を持っていませんが、定着できる「すみか」(かぶせもの、矯正装置など)があると増殖を起こします。
ミュータンス菌感染後の虫歯後期に大きく関与し、炭水化物の摂取量と強く関係します。
口腔環境が不良であればあるほど増殖することから、その量を知ることで、口腔環境や食習慣などを推測することが出来ます。
歯肉炎とは?
プラークが長時間付着していると、その中に含まれる有害物質が刺激源となってその周囲に炎症が起こります。健康な歯肉に対してブラッシングを中止すると、約3~4週で慢性の歯肉炎になります。
<健康な歯肉>
健康な歯肉
<初期の歯肉炎>
歯肉の腫れがみられます。
<慢性の歯肉炎>
歯肉の腫れがさらにひどくみられます。
歯周炎とは?
歯肉炎が進行すると歯周炎(歯周病)になります。
プラークを引き続き除去しないでいると、歯と歯肉の境目(ポケット)の中で細菌が異常増殖します。
そうすると、歯肉が歯面から剥がれ、続いて骨の破壊へとつながります。
<初期の歯周炎>
歯肉が腫れ骨の破壊がはじまります。
<中等度歯周炎>
歯肉の腫れがひどくなり、歯から歯肉がはがされ、さらに骨の破壊が進行します。
<重度の歯周炎>
中等度歯周炎の症状がより悪化し、歯の動揺もみられます。
歯周病は自覚症状が出ることが少ないため、自分では見逃しがちです。適切な処置を行わない限り、加齢とともにゆっくりと進行していきます。中高年の、歯の喪失原因の大半を占めているのは歯周病です。
虫歯とは?
細菌は飲食した食べ物から栄養を取り、酸を産生します。 この酸によって歯が溶かされてしまった状態が虫歯です。
人間の身体には、人によって程度の差はありますが、この酸と闘おうとする抵抗力があります。唾液の作用や歯の質などがその力です。しかし、酸にさらされる回数が多かったり(飲食頻度が多い)、時間が長かったりすれば、酸との闘いに敗れ虫歯になってしまいます。
唾液の作用とは?
- ・洗浄作用…唾液は歯の表面やお口の中を洗浄します。
- ・殺菌、抗菌作用…抗菌作用があり、プラークの形成、発育を抑制します。
- ・緩衝作用…お口の中の酸や、アルカリを中和する働きをします。
- ・抗※脱灰作用…エナメル質、象牙質の※再石灰化を促進します。
このように、唾液は患者様のお口の中で優れた働きをしています。分泌量が多いほど、虫歯の予防効果は高くなります。
※脱灰
歯からリンやカルシウムが溶け出すことをいいます
※再石灰化
唾液の中には、リンやカルシウムが溶けていて、そのリンやカルシウムが歯の中にしみ込むことをいいます。
キシリトールとは?
キシリトールは白樺や樫などの樹木から採取した天然素材です。ほかにも、野菜、果実(ほうれん草、いちご など)にも含有されています。
キシリトールの効果
唾液の分泌を刺激し、促進させます。 そして唾液中のカルシウムがエナメル質と結びつく再石灰化を活発にさせます。
虫歯の原因菌は、キシリトールを取り込むと虫歯の原因となる酸を産生できなくなるため、粘着度が減少し、歯磨きによりプラークが落ちやすくなります。
キシリトールを摂取しつづけると約50%プラーク形成が抑制されます。
<ショ糖(砂糖)を摂取した場合とキシリトールを摂取した場合の違い>
☆ショ糖の場合☆
☆キシリトールの場合☆
これらからわかりますように、キシリトールを生活習慣の中に取り入れていくことによって虫歯を予防することができます。
フッ化第一スズとは?
- ・スズイオンが虫歯や歯周病の原因菌の増加を抑え、歯肉の腫れや出血を防ぎます。
- ・フッ素の効果で歯質を強化し、虫歯予防や軽度の知覚過敏などの軽減ができます。
- ・スズイオンの抗菌効果により、虫歯や歯周病の原因菌を取り除くことで口臭の防止にもつながります。
フッ素の働き・効果
- ・再石灰化の促進
- ・歯質の強化
- ・酸産生の抑制
- ・抗菌作用
これらの4つの働きが虫歯の予防につながります。
むし歯のリスクにより、3~6ヶ月に一度のフッ素塗布をおすすめします。
フッ素塗布の費用
上・下 ¥1,000円(税別)
メインテナンスの重要性
メインテナンスはお口の中のより良い環境を持続させることと、歯肉炎・歯周病・虫歯の発症及び再発を防止することを目的とします。
メインテナンスの時期(リコール)は、基本的に3ヶ月~6ヶ月間隔とされ、お口の中の状態により設定されます。