セルフライゲーションブラケット装置(デイモンシステム)について
セルフライゲーションブラケット装置(デイモンシステム)は、通院回数を減らせるなど、メリットがある矯正システムです。
セルフライゲーションブラケット装置(デイモンシステム)は、アメリカの矯正医、Dr Dwight Damon によって開発された新しい矯正治療システムです。従来の矯正装置は、ブラケットとワイヤーをゴムや細いワイヤーでとめていました。それによりブラケットとワイヤーの間に大きな摩擦が生じ、歯の動きが妨げられていました。
しかし、セルフライゲーションブラケット装置(デイモンシステム)は開閉式のふたを採用することで、この摩擦力を従来の約1/600まで軽減できるようになりました。これにより、弱い力でも無理なく早くスムーズに歯を動かせるのです。また、 生理学的に無理がないので、その患者様の唇や舌の筋肉と調和した自然な歯列をつくれます。
KAZ矯正歯科では、セルフライゲーションブラケット装置(デイモンシステム)のなかでより進化した装置を使っています(2016.12月現在)。
参照:セルフライゲーションブラケット装置(デイモンシステム)
http://www.damonortho.com/
セルフライゲーションブラケット装置(デイモンシステム)の特徴
歯をスムーズに動かせる
従来より、ブラケットとワイヤーの間の摩擦力が軽減されます。
通院回数を減らせる
持続的に力がかかる形状記憶のワイヤーを使うので、従来の装置では4週間に1回だった来院を、6~8週、場合によっては10週間に1回と、通院の回数を減らせます。
非抜歯治療の可能性が高まる
その患者様に合ったバランスの良いところまで自然に歯列が拡大するので、非抜歯治療の可能性が高まります。
清掃性に優れている(歯磨きしやすい)
従来の装置では、ブラケットとワイヤーをとめるためにゴムや細いワイヤーを使っていたので、汚れがつきやすかったのですが、セルフライゲーションブラケット装置(デイモンシステム)では、ゴムや細いワイヤーを極力使っておらず、汚れがつきにくいので、歯磨きもしやすくなっています。
裏側の拡大装置などがほぼ必要ない
歯列が狭い場合などは、裏側に拡大装置などをつけることがありますが、セルフライゲーションブラケット装置(デイモンシステム)ではブラケットとワイヤーの力だけで拡大できるので、拡大装置を使う症例はほとんどありません。
歯周組織に悪影響を与えない
無理な力を加えないので、歯周組織(歯肉や歯を支える骨など)への影響が少なくてすみます。
歯根の吸収が少ない
無理な力を加えないので、歯根の吸収が起こりにくくなります。
ブラケットに厚みがある
セルフライゲーションブラケット装置(デイモンシステム)の特徴をいかすためには必要なことですが、通常のブラケットに比べて少し厚みがあります。
インシグニア(デジタル矯正歯科システム)について
KAZ矯正歯科のセルフライゲーションブラケット装置(デイモンシステム)には、『インシグニア(デジタル矯正歯科システム)』の技術を取り入れているので、高精度な装置に仕上がります。
インシグニア(デジタル矯正歯科システム)は、患者様の歯型をスキャンし、コンピューター上で治療計画に基づいた理想的な仮想の立体モデルを作製し、それに合ったより正確なブラケットポジションとカスタムメイドのワイヤーにより、より良い治療をご提供できる新しいシステムです。
インシグニア(デジタル矯正歯科システム)の特徴
治療時間や治療期間の短縮
理想的な位置により正確に装置をつけ、患者様一人ひとりに合ったカスタムメイドのワイヤーを使うことで無駄な動きがなくなり、1回の治療時間が短縮され、治療期間を短縮できます
セルフライゲーションブラケット装置(デイモンシステム)とのコラボレーション
インシグニア(デジタル矯正歯科システム)で矯正治療を行なうときはセルフライゲーションブラケット装置(デイモンシステム)を使用するので、質の高いより快適な装置をご提供できます。
治療の流れ
セルフライゲーションブラケット装置(デイモンシステム)の治療の流れをご紹介します。
お口の中を拝見させていただき、気になる所、お悩みの所をお聞きした上、現在の状態や、治療方法、おおよその期間や費用についてお話しさせていただきます。初診相談の内容と費用は文書でお渡し致します。
又、御希望の場合には同日に精密検査までお受けいただくことも可能ですので、御希望の旨、お知らせください。
口腔内の検査、歯型の採得、口腔内の写真、レントゲン撮影等を行います。
1週間後
前回行った検査の結果をお伝えします。
一本一本の歯や全体の状態と問題点、そして、どのような方法で、どの位の治療期間が予定されているかをお話しいたします。又、患者様の御希望をふまえ、治療方針が決定されます。
装置作製のための歯型を採取します。
虫歯の治療やクリーニングの必要がなければ、診断の当日おとりします。
2週間後以降
歯のクリーニングを行った後に装置の装着を行います。その後に装置装着中の注意事項や歯磨きの仕方等のご説明を致します。
8~10週間後
治療期間によって回数は異なりますが、治療前半は6~8週に1回、治療後半は4週に1回の通院となります。
歯並びやかみ合わせが改善され、治療上問題なく、患者様の気になる所が解消された時点でリテーナー(保定装置)を作製するための歯型を採取します。
4週間後
保定期間は約1年6ヶ月、この間4ヶ月に一度来院していただき、お口の中とリテーナー(保定装置)のチェック、歯のクリーニングを行っていきます。
2か月後
リテーナーの使用状態などのチェック、終了の記録として歯型の採得やレントゲン写真撮影などを行ないます。
セルフライゲーションブラケット装置(デイモンシステム)についてのQ&A
セルフライゲーションブラケット装置(デイモンシステム)と普通のブラケットはどこが違うのですか?
【セルフライゲーションブラケット装置(デイモンシステム)とは】をご覧いただくとおわかりになるかと思いますが、従来の矯正装置に比べてブラケットとワイヤーとの摩擦が少なく、スムーズに歯を動かせるということが最大の違いです。
なぜ治療期間が短くなるのですか?
【セルフライゲーションブラケット装置(デイモンシステム)とは】をご覧いただくとおわかりになるかと思いますが、従来の装置はブラケットからワイヤーが外れないようにゴムや細いワイヤーでとめていました。それにより摩擦が生じ、この摩擦が歯の移動を妨げていました。
セルフライゲーションブラケット装置(デイモンシステム)では、この摩擦を最小限に抑えられるので、歯が早く移動するのです。
歯を動かすと歯根が吸収されると聞いたことがありますが、大丈夫ですか?
非常に強い力をかけたり、歯を行ったり来たりするような動かし方をしたり、また、歯が骨の中を移動するときに骨の周りの一番硬い部分に当たると吸収するといわれています。
セルフライゲーションブラケット装置(デイモンシステム)はこのような動かし方をしている訳ではなく、動きがスムーズなので、歯根が吸収されることはありません。
セルフライゲーションブラケット装置(デイモンシステム)と歯科矯正用アンカースクリューを併用した場合、通常の装置と比べてどの位期間が短縮できますか?
全ての患者様に有効というわけではありませんが、有効な場合には少なくとも25%以上の期間の短縮が可能です。
セルフライゲーションブラケット装置(デイモンシステム)のデメリットは何ですか?
従来のブラケットより少し厚みがあります。
金属アレルギーの人でも大丈夫ですか?
何の金属に対するアレルギーなのかが問題です。
チタン製のブラケットであれば通常問題ありませんが、現在はセルフライゲーションブラケット装置(デイモンシステム)に関するチタン製のブラケットは発売されていません。