カスタムメイド型リンガルブラケット矯正装置(インコグニート)とは
KAZ矯正歯科では、『カスタムメイド型リンガルブラケット矯正装置(インコグニート)』という装置を使って歯の裏側からの矯正治療を行っています。この装置には、従来の舌側矯正装置に比べてさまざまなメリットがあります。
片側のみ使用することもできますので、お気軽にご相談ください。
舌側矯正の最大のメリットは、装置が見えにくいことです。 現在では、基本的に舌側矯正を行えない症例はなく、表側装置に比べて仕上がりの美しさや治療期間もほとんど変わりません。そのため、見た目が気になる方や、仕事の都合で装置をつけられないという方は、舌側矯正で治療を受けていただけます。
表側矯正に比べて装置をつけたときの違和感、食べづらさ、話しづらさはより強くなりますが、ある程度の時間が過ぎれば必ず慣れます。KAZ矯正歯科では、半数以上の方が問題なく舌側矯正の治療を受けられています。
細かいメリット・デメリットは患者様によって異なるので、歯科医師とよくご相談したうえで治療を進めましょう。
治療の流れ
舌側矯正の治療の流れをご紹介します。
お口の中を拝見させていただき、気になる所、お悩みの所をお聞きした上、現在の状態や、治療方法、おおよその期間や費用についてお話しさせていただきます。初診相談の内容と費用は文書でお渡し致します。
又、御希望の場合には同日に精密検査までお受けいただくことも可能ですので、御希望の旨、お知らせください。
口腔内の検査、歯型の採得、口腔内の写真、レントゲン撮影等を行います。
1週間後
前回行った検査の結果をお伝えします。
一本一本の歯や全体の状態と問題点、そして、どのような方法で、どの位の治療期間が予定されているかをお話しいたします。又、患者様の御希望をふまえ、治療方針が決定されます。
装置作製のための歯型を採取します。
虫歯の治療やクリーニングの必要がなければ、診断の当日おとりします。
海外への発注のため、約2ヵ月のお時間をいただいております。
抜歯の必要がある場合は、この間に行ないます。
約2か月後
歯のクリーニングを行った後に装置の装着を行います。その後に装置装着中の注意事項や歯磨きの仕方等のご説明を致します。
6週間後
治療期間によって回数は異なりますが、治療前半は6週に1回、治療後半は4~5週に1回の通院となります。
歯並びやかみ合わせが改善され、治療上問題なく、患者様の気になる所が解消された時点でリテーナー(保定装置)を作製するための歯型を採取します。
4週間後
保定期間は約1年6ヶ月、この間4ヶ月に一度来院していただき、お口の中とリテーナー(保定装置)のチェック、歯のクリーニングを行っていきます。
2か月後
リテーナーの使用状態などのチェック、終了の記録として歯型の採得やレントゲン写真撮影などを行ないます。
表側矯正装置と舌側矯正装置のメリット・デメリット
舌側矯正装置 | 表側の装置 | |
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見た目 | 表側からは見えにくいです。 | KAZ矯正歯科では、表側の装置のなかで最も目立ちづらい透明な装置を使っています。 |
装置装着後の発音 | 装着当初は違和感と発音のしづらさがありますが、個人差はあるものの1~2週間ほどかかります。 | 装着当初は多少違和感があっても、すぐに慣れます。 |
食事 | 表側に比べ、より装置装着の当初は食べづらさはあるかもしれませんが、やはり1ヶ月位で慣れるようです。 | 装着当初は硬い物が食べづらいことがありますが、個人差はあるものの1ヵ月ほどで慣れます。 |
口内炎 | 装置が舌に当たり、舌に跡がつくことがあります。発音同様、慣れるまで1~2週間ほどかかります。 KAZ矯正歯科では緩衝材としてワックスをお渡ししています。 |
口内炎ができることがありますが、すぐに慣れます。 KAZ矯正歯科では緩衝材としてワックスをお渡ししています。 |
仕上がり | 表側の装置と舌側矯正装置の差は、ほとんどありません。 | |
治療期間 | 症状により、表側の装置の方が早い場合もあれば、舌側矯正装置の方が早い場合もあります。 KAZ矯正歯科では、差はありません。 |
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治療費 | 毎回の治療時間や材料費の違いから、舌側矯正装置は、表側の装置に比べて高額になります。 | |
虫歯になるリスク | 表側の装置に比べて舌側矯正装置の方が歯磨きしづらいので、汚れが残りやすくなります。しかし唾液の作用により、歯の表側に比べて裏側の方が虫歯になりづらいので、デメリットにはなりません。 |
舌側矯正についてのQ&A
舌側矯正は、「見えにくい」以外にどのようなメリットがありますか?
- ①歯が出ている方は、表側矯正だと当初は唇の引っ掛かりや口の閉じづらさを感じますが、舌側矯正だと、表側に変化がないので、そのような心配がありません。
- ②スポーツをされる方は、表側矯正だと、ぶつかった場合などに装置で唇の裏側を傷つけることがありますが、舌側矯正だとそのような心配がありません。
- ③治療の最終段階で、気になる部分が残っていないかどうかを判断するとき、表側矯正だと装置が邪魔で「これでいいのかどうかわからない」とおっしゃる患者様がいらっしゃいますが、舌側矯正だとそのような心配がありません。
舌側矯正装置は違和感がありますか?
装置が舌に当たるので、違和感と多少発音への影響があります。
表側の装置は唇の裏側に当たりますが、唇より舌の方が敏感なので、装着当初の違和感は表側の装置より舌側矯正装置の方が強いようです。しかし、時間の経過とともに必ず慣れ、発音の問題もなくなります。
KAZ矯正歯科では、大人の方の多くが舌側矯正を受けていらっしゃいますが、皆様慣れていただいているようです。 また、現在のオーダーメイドの装置は薄いので、フィット感に優れ、装着最初の違和感が少なくなっています。
舌側矯正装置で治療する場合、歯を抜いたスペースは目立ちますか?
矯正治療を行なうときは、必要に応じて抜歯することがあります。
表側矯正では、矯正治療をしていることがわかり、装置に目がいくので、歯を抜いた部分を気にされる方はほとんどいらっしゃいません。しかし、舌側矯正は装置が見えにくいので、歯を抜いた位置によっては目立ってしまいます。その場合は、抜いた場所に仮歯を入れることがあります。
仮歯は、抜いた場所の両隣の歯のどちらかにつけ、歯の移動に合わせて少しずつ削って、最後は完全に外します。 こうすることで、歯を抜いた部分が目立ちにくいように治療できます。
仮歯を入れるにあたり、歯を削ることはありません。また、仮歯は見た目の問題だけであり、必ず入れるものでも、入れなければいけないものでもないので、ご希望の場合はその旨お話しください。
舌側矯正の治療期間はどれくらいですか?
舌側矯正は、一般的な表側矯正に比べて期間が長いというイメージを持たれがちですが、現在の装置や治療技術からすると差はありません。
治療期間は、症状や治療の難易度などさまざまな要素によって変わります。短いと1年以内という症例もありますが、多くは1年半か2年ほどになります。症例によっては、舌側矯正の方が早く終わることもあります。
KAZ矯正歯科では、治療の最終段階で、患者様のご要望をできる限り治療に取り入れているので、その内容が多岐にわたったり回数が多い場合には、多少期間が延長してしまうことがあります。このような場合も、最後までご納得いただけるよう仕上げを行います。
なお、矯正治療は生体を動かすものなので、イレギュラーなことが起こる可能性があります。また、患者様の協力なくしては良い治療結果へと導くことはできません。
舌側矯正の通院の間隔はどれくらいですか?
KAZ矯正歯科では、非常に精密な装置とワイヤーを使い、持続的に弱い力がかかるシステムを採用しているので、通院の間隔を長くとることができます。
当初は6週間、中盤は5週間、仕上げの段階は微調整になるので4週間というのが一般的です。
舌側矯正では、装置をつけるまでどのくらいの期間がかかりますか?
1ヵ月半ほどかかります。
歯の裏側は表側に比べて表面の形状がさまざまで複雑です。また、表側矯正では直接表側を整えますが、舌側矯正では、裏側から離れた表側をコントロールするので、より装置の精密さが求められます。
KAZ矯正歯科では、患者様の1本1本の歯の形や状態に合わせ、フルカスタムメイドで装置を作製しています。そのため少しお待ちいただくことになるので、ご了承ください。
なぜ表側矯正に比べて舌側矯正の方が費用が高いのですか?
歯の裏側は表側に比べて表面の形状がさまざまで複雑です。また、表側矯正では直接表側を整えますが、舌側矯正では、裏側から離れた表側をコントロールするので、より装置の精密さが求められます。
KAZ矯正歯科では、患者様の1本1本の歯の形や状態に合わせ、フルカスタムメイドで装置を作製しています。非常に精密な装置になる分、どうしても費用が高額になってしまいます。
舌側矯正装置は、虫歯になりやすいですか?
表側の装置と舌側矯正装置では、虫歯になるリスクに差はありません。
舌側矯正装置の方が汚れが残りやすく虫歯になりやすいと思われがちですが、歯の裏側には唾液が循環しているので、虫歯を抑制する作用があります。そのため、どちらの装置もリスクは変わりません。実際に、KAZ矯正歯科でも舌側矯正をされている方に虫歯ができる、ということはありません。
そのため、虫歯になるリスクは、装置の選択の要素にはならないでしょう。
舌側矯正だと口内炎ができやすいですか?
「裏側に装置がついていると、舌が引っ掛かって口内炎ができるのでは?」とお考えの方もいらっしゃるでしょう。唇に比べて舌の方が敏感なので、口内炎ができる可能性は高いかもしれません。
しかし、当然舌側矯正装置は裏側につけることを想定したつくりになっているので、できる限り引っ掛かりにくい構造になっています。また、KAZ矯正歯科での舌側矯正装置はフルカスタムメイドであり、非常に薄くできているので、実際に口内炎ができることは非常に少ないです。
舌側矯正できない症例はありますか?
基本的にはありません。ただ、歯の裏側の面積が極端に狭く、装置の製作自体が困難な症例や、裏側を修復した歯が極端に多い症例(修復をしている部分は、天然歯より接着しづらいので外れるリスクが高くなり、外れてしまうと、表側より裏側の方が気になる)などは、治療しにくいことがあります。
基本的には対応できるので、「矯正治療を受けたいけれど見えるのが気になる」という患者様は、ぜひ舌側矯正をご検討ください。
金属アレルギーがあるのですが、裏側から治療できますか?
KAZ矯正歯科で使っている舌側矯正装置『カスタムメイド型リンガルブラケット矯正装置(インコグニート)』は、主に貴金属でできています。
金属アレルギーの方の多くはニッケルやクロムなどに反応しますが、金や白金などの貴金属には反応しないことがほとんどです。つまりアレルギー反応の出にくい装置ということになります。
金属アレルギーの患者様のなかには、カスタムメイド型リンガルブラケット矯正装置(インコグニート)で問題なく治療をされている方が多いです。
しかし、アレルギーの程度などもあるので、少量でも過剰に反応する方や、どうしても心配な方は、マウスピース型カスタムメイド矯正装置(インビザライン)のように金属をまったく含まない装置をご検討される方がいいでしょう。
人から目立つ上を舌側矯正装置にし、目立ちにくい下を表側の装置にすることはできますか?
まったく問題なくできます。
ほとんどの方は、会話をしているときは上の歯が目立ち、下の歯は見えにくいので、表側につけていてもあまり目立ちにくい下は、表側にされる患者様も多いです。メリットは上下とも舌側矯正装置にするのに比べて、費用を抑えられることです。
部分的な治療でも、舌側矯正できますか?
できます。
症状によって表側矯正と舌側矯正それぞれのメリット・デメリットはさまざまですが、治療には問題ありません。
舌側矯正では、リテーナー(保定装置)はどのようなものを使いますか?
リテーナーにはさまざまなものがありますが、やはり舌側矯正装置を使用していた方は、リテーナーも目立ちにくいものが良いと思います。KAZ矯正歯科では、上は取り外し式の透明なマウスピースを、下は歯の裏側に細いワイヤーを接着剤でとめる、固定式のものをお勧めすることが多いです。
上下ともに透明なマウスピースでも構いませんが、上下だと慣れるのに少し時間がかかります。また、上下とも歯の裏側につける固定式のタイプだと、特に上の裏側は外れやすいリスクがあります。
そのため、上は透明なマウスピース、下は裏側からの固定式のタイプをお勧めしています。
中学生ですが舌側矯正はできますか?
歯がしっかり生えそろっていれば、中学生でも問題なく舌側矯正を受けていただけます。多感な時期なので、舌側矯正であれば見た目を気にする必要がありません。
また、スポーツをするなど活発に行動する時期でもありますが、激しくぶつかるようなスポーツでも、唇の裏側を装置で切るようなことはありません。もしこのようなことで治療をためらわれているようであれば、ぜひ舌側矯正をご検討ください。