矯正歯科に関して多くいただくご質問のご解答をしております。
他の治療や病気などがある場合について
先に虫歯を治療してから相談に行った方がよいのでしょうか?
基本的には、矯正装置が入る前までに、虫歯の治療していただくことになります。しかし、矯正の診断結果によっては、歯を抜く場合もありますし虫歯の治療法も若干変わってくることがあります。そのため、矯正治療をお考えで現在、お痛みのある歯がなければ先に矯正の相談を受けることをお勧めいたします。
また、現在歯にかぶせてある冠や詰め物は、現在の歯並びに合わせて作られていますので、矯正治療の途中あるいは終了後に作り直さなくてはいけないこともありますので、まずはご相談下さい。
顎関節症があるのですが治りますか?
顎関節症とは、あごの関節から音がしたり痛みがあったり、さらにお口が開きにくかったり、頭痛や肩凝りなどの全身的な症状を起こすこともある病気で近年、訴える方が増えてきています。
しかし、残念ながら、歯並びと顎関節症の相関関係はいまだに明らかになっておりません。また、その原因とされるものに、その人の姿勢や生活習慣やストレスも関与していると言われています。それでも歯並びを良くしてかみ合わせを安定させることは、あごの関節にとってプラスになることは間違いありません。
歯周病と言われましたが矯正出来ますか?
歯を支える骨や歯茎の状態や程度によります。矯正治療における歯の移動というのは歯の骨、つまり歯槽骨の中を動きます。歯周病によって骨が吸収してしまい無い部位に歯を移動する事は出来ないからです。
又、炎症がある状態では更に歯周病が進んでしまう事もあります。歯周病治療により炎症のコントロールがされ、十分な骨レベルがあると判断した後、矯正治療を行う事が一般的です。
矯正歯科の治療中に妊娠しても問題はありませんか?(治療は出来ますか?)
基本的には問題ありません。妊娠中でも治療は出来ます。しかし妊娠中はホルモンのバランスが崩れる為、妊娠性の歯肉炎になり易くなります。その為、より一層、歯磨きを頑張る必要があります。
金属アレルギーがあるのですが矯正出来ますか?
矯正装置の材料に使用されている金属は主にニッケル、チタン、ステンレス、コバルトクロム、等ですが金属アレルギーの方に対応した材料もありますので金属アレルギーの方も治療可能です。
矯正治療を開始される前にパッチテスト等で何の金属に対するアレルギーなのかを確認しておく事も可能です。
胃潰瘍で治療を受けています。矯正歯科を考えていますが可能ですか?
胃潰瘍で治療中の方でも歯列矯正は可能であると思われますが矯正治療をストレスに感じたりする様であれば胃潰瘍の治療をまず優先させてからのほうが良いと思います。
いつも口を開けていますが歯並びに影響しますか?治療期間が延びることはありますか?
口を常に開けているという状態は口の周りの筋肉の力が弱いと考えられます。その為、前歯が舌の力等におされて前方に出たりする可能性があります。矯正治療により正しい歯列の位置に歯を配列し、それに加え唇の力を訓練するリップトレーニングを治療で行う事により改善されるでしょう。
又、いつも口を開けていらっしゃる方は鼻の通りが悪い場合があります。鼻呼吸が上手く出来ずに口呼吸になっている事も考えられますので一度耳鼻科もあわせて来院されるとよいと思います。
ダイビングをしています。矯正を始めても続けられますか?
一般的には可能だと思いますし、実際にされている方もいらっしゃいます。多少レギュレーターをかみづらい等はありますが大丈夫だと思います。
定期的にMRIをうけているのですが、治療は可能ですか?
金属を多く使用している装置で頭部のMRIでは影響がでる事があります。一時的に装置をはずしたり、極力、金属を使用しない等の対策をとることはできますからお気軽に御相談下さい。
歯ぎしりやいびきは矯正歯科の治療で治すことはできますか?
歯ぎしりやいびきは、歯並びやかみ合わせだけが原因ではない為、完全になくなるとは言い切れません。しかし、いくらかの改善は見られることがあります。
矯正歯科の治療中に頭痛や肩こりが起きたりはしないのですか?
矯正治療は長い為、矯正治療と関係なくても頭痛や肩こりが起こる事はあると思います。しかし、矯正治療により歯並びは日々変化していますから、それに周りの器官が対応できないと、それが頭痛や肩こりといった症状に出てくるということは非常に少ないですが可能性はゼロではないと思います。ただ、こういった症状も治療中を通して続く事はまずありません。
インプラントをしています。その歯は矯正できますか?
従来、歯には、それを取り巻く歯周組織である歯根膜と呼ばれる組織が存在します。
その歯根膜が、歯の移動に重要な役割を果たします。つまり、その歯根膜が存在しなければ歯は動きません。
インプラントは人工の歯根ですので、歯根膜が存在しませんので、通常歯科矯正用アンカースクリューというインプラント状のものを歯を動かす際の固定源として利用する事は出来ますが、インプラント自体を矯正治療によって動かすことはできません。
矯正歯科を始める前に親知らずは抜いたほうがよいのですか?
一般的に親知らずは抜くというイメージがあるかもしれませんが必ずそうではありません。親知らずを抜かずに、歯列に参加させて矯正治療を行う場合もありますので、一度、矯正治療の診査・診断を受けられその上で、抜いたほうが良いという診断結果の場合には、抜くことをお勧めいたします。
歯医者さんに「親知らずがあるから抜いたほうがいい」といわれました。
抜かずに矯正で治すことは出来ますか?
個人差はありますが、親知らずは、横になっていたり、前の歯に当たってしまっていたりすることが多く、たとえ生えてきたとしても、お口の中の一番奥にあるため、歯磨きがきちんと行き届かないことがほとんどです。歯医者さんで親知らずの抜歯をすすめられるのはこのような理由からです。親知らずを抜かずに矯正することも可能な場合もありますが、矯正治療において、親知らずの抜歯をお勧めする理由としては、上記に加え、奥歯を後方へ動かしたいときや、親知らずが生えている位置が著しく悪かったり、虫歯等で保存不可能な場合などです。
親知らずが生えてくると歯並びが変化すると聞きましたがどうでしょうか?
一般的に親知らずが生える程の顎のスペースをもっている患者様は少なく、ななめになって手前の歯にひっかっかっていることが多いです。この状態を放置する事で手前の歯に影響をおよぼしたり虫歯や歯茎の炎症の原因になる為このような場合には抜歯するのが望ましいかもしれません。
セラミックの歯やブリッジ、神経を抜いた歯がありますが、矯正できますか?
いずれの場合にも矯正治療には支障ありません。
ただ、セラミックなどの差し歯の場合、矯正治療前の歯並びに合わせて作ってありますので、矯正治療後には、作り直すことになるかもしれません。
ブリッジの場合には、すでに失われた歯の両隣の歯を支えに橋渡しをしています。矯正治療では、スペースが必要で歯を抜かなくてはいけない場合もありますので、ブリッジの橋渡しの部分を切断しスペースを作って、治療していく場合があります。この場合には、矯正治療後にブリッジあるいは、冠の作り直しが必要になってきます。
また、矯正治療上、歯を抜いて治療する場合に本来抜く歯が健康で、隣の歯が神経が無い場合には、メリット、デメリットを考え後者を抜く場合があります。
すでに歯が無いところがあるのですが、矯正できますか?
特に成人の方では、すでに虫歯などで歯を失っているケースもあると思います。しかし矯正では、治療ためにスペースが必要な場合は、健康な歯であっても、抜歯を必要とするケースがあります。
そういった場合には、すでに歯がない部位については、矯正治療のために歯を抜いたものとしてスペースを使用できる場合もあります。また、スペースがさほど必要のない場合には、余ったスペースを治療後に捕綴といって冠をかぶせたり、ブリッジにしたりする処置が必要となります。矯正治療自体は可能だと思いますので、まずは、ご相談下さい。